秋はつつがなく

 秋です! 秋のバラが終わり淋しい庭に菊の花が咲きはじめました。今日は久しぶりのお日様です。

7月からブログ書いてなかったんですね。8、9、10月とあっという間にすぎっちゃったんですね。その間PCの故障があって、3週間ぐらいパソコンのない生活。らくちんでした。コロナで動けなかったこともあり、本と仲良くしてうらうらと暮らしました。

10月10日、盛岡市のもりおか町家物語館でアーツライブいわて「語りの芸術祭」オープニング公演があり絵本「リアスのうみべさんてつがゆく」の朗読とトークがありました。朗読は劇団赤い風の永井志穂さんが担当し、トークで坂田裕一さんのリードでお話するという機会を得ました。とても素敵なホールで開催でき、ハッピーな一日でした。

市内のイチョウ並木も金色に輝いています。コロナが減ってきて、空気がおいしいなあ・・そんな秋の日です。

ティラノサウルスのベンチ

7月4日、宮西達也さんが久慈市に来てくれました。昨年に引き続いての来訪です。好評を博した講演もまたまた盛り上がりましたが、なんと寂しい町並みに活気をとティラノの絵を描いてくれたんですよ。すべて久慈市のために新しく描いてくれたんです。「すごいでしょう!!世界的な絵本作家がみんなのためをおもって特別に描いたんですよ~」って、そんなちゃめっけたっぷりな声がきこえてきそうです。

観光客も立ち止まって見入ってしまいますね。ステキなベンチ、みなさんも久慈の街をぶらっと歩いて見つけてくださいね。

翌日は小久慈小学校の子どもたちが特別授業をうけて大盛り上がりだったようで、3日静岡県は豪雨で土砂災害に見舞われ、7時間もかけて来てくれたんですよ。宮西達也さん、ほんとにありがとうございました。

『宮西達也の世界 ミラクルワールド絵本展』が花巻市の萬鉄五郎記念美術館で9月26日まで開かれててるので、ぜひ行ってみてね。

 

「クララとお日さま」

4月から5月、身内に不幸がつづき,すっかり落ち込んだ気持ちも、庭の花が次々と咲き、清々しさに、癒される日々。さわやかな初夏の空気がひんやりと漂っています。今日は雨。

斎藤幸平「人新世の『資本論』」若い人が、この本を書いたことが嬉しい。

「クララとお日さま」カズオ・イシグロ やっぱり、すごかった!! 描写も発想も。

どちらも、近未来を暗示しているんでしょうか。未来はどこを目指すのでしょう。

友だちからこんな本が届いた。「岩波少年文庫のあゆみ」Ⅰ950-2020若菜晃子 「かつてあったいいことは どこかで生き続ける」と手書きのサイン入りで。この言葉大事にしたいなあ・・・・

 

「戦場の秘密図書館~シリアに残された希望~」

毎日、本をかかさず読む。新刊3冊買うと面白ければその日のうちに三冊読んじゃう(最近は新書三昧だ)。困ったものだと思う。でもやめられない。目がだめになるか、寿命がつきるか、ぼけちゃうか。ま、本がこの世にあって、ほんとによかったと、思う。

で、久しぶりできゅうんと胸をうった本。「戦場の秘密図書館~シリアにのこされた希望~」文溪堂。イギリスのジャーナリスト、マイク・トムソンが書き、編訳を小国綾子氏が担った。シリアのことも難民のこともアサドのことも、あまりよくわかっていなかった。けれど、この本で、中東でなにがあったのかが、よくわかった。そこに生きる子どもたちの姿。本との出会いが生きるよすがであっただろうその事実。(バーシトの「本は雨のようにすべての人に降り注ぐ」という言葉が好きです。一冊の本を読むこと。感じたことを胸に刻むこと。それを、だれかと語りあうこと。遠いシリアの図書館の話が、実はわたしたちと地続きにあるんだと感じていただけたらうれしいです)。と小国綾子氏は結んでいる。

この本をすべての中学生に読んで欲しい。そんな一冊です。

石巻の未来屋書店さんで

3月はじめ、石巻市に行ってきました。ところどころ途切れた三陸道を車でひたすら南下して、約4時間。はじめましての石巻市です。

思い描いていたよりずっと大きな町。イオンモールも大きく2階に未来屋書店さんがありました。絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」のパネル展を3月いっぱい開催中なのです。児童書に力をいれていることが一目でわかりました。さんてつの絵本は、まん中の棚に何冊も並んでいました。その後ろの壁に、ありました、ありました。全部の場面が。傍によって見ました。「うわお! きれい!」

こんなにきれいに描いてくれたのかと、驚きました。本になった絵より、ずっとずっと迫力があり、みごとにきれいな色合いです。絵を描いてくれたさいとうゆきこさん、力をこめて描いてくれたことがひしひしと伝わってきました。

あと10日あまり、ぜひぜひ未来屋書店さんに行ってみてくださいね。絵本はいつまでも残るもの。震災のこと、三鉄がしたこと、伝えてほしい一冊です。

小正月 竈の蓋があく

1月16日は、実家に行って仏様に会う。竈の蓋があいて死んだ人が出てくるのだという。小正月は女の正月。家事を休んで実家に戻れる日。紅白の餅をつき、水木に飾る。子どもの頃は正月より、小正月のほうが楽しかった。なにしろ小さな居間がお飾りをいっぱいつけた水木ではなやかでにぎやかになるのだから。

村のお寺は朝から人が行き来し、お菓子やさんも仏前にあげるお菓子を買い求める人で忙しい。親戚を何件もまわる風習もまだ残っている。近況を話し、元気でやってるかを確かめ合う。人間関係がうすれゆく現代では、なんだかそっちのほうがいいんじゃないと、ちらっと思ってしまう。現にお菓子屋さんで居合わせた人との会話が、ほのぼのとして心地よかった。そういうさりげない心地良さが、生きるうえでは必要なのかもしれない。

さて、年があけて、もう一月もすると、絵本がでる。やっとたどりついた出版なのでコロナ禍のなか、無事うぶごえをあげられるよう、たくさんのこどもたちに読んでもらえるよう・・・手をあわせてお祈りをした。

「リアスのうみべ さんてつがゆく」岩崎書店 2月15日 発売予定

年の瀬に

今年いちばんの出来事は、絵本作家宮西達也先生が久慈市に来てくれたこと。駅前に新しい図書館ができたのを記念し、講演をしてくれたのです。超楽しい講演の翌日「ティラノザウルス」をかこう

子どもたちとの共作で~す!

超多忙な宮西先生。はるばる来てくれて、子どもたちとのふれあい、本当にありがとうございました。お人柄がとってもステキでした!!

コロナ禍であっという間の一年でしたが、年明け、2月に絵本「リアスのうみべさんてつがゆく」がいよいよ刊行となります。どうぞ、よろしくお願いいたします!

梨木香歩「ほんとうのリーダーのみつけかた」

童謡「たきび」に出てくる’さざんか さざんか 咲いた道 たきびだ たきびだ おちばたき’のさざんかが好きで、寒冷地では咲かないなあと思いつつ、何本かのさざんかを植えてきた。玄関前の日陰に植えたさざんか。冬は囲いをし7年くらいたつかな、やっと花が咲いた。蕾がたくさんつき、可憐な花がたくさん咲いている。これも温暖化のせいかもと思いつつも冬の花はうれしい。

コロナがまた勢いを増し、おとなしい日常がつづく。本が躰に染みわたるように入る。梨木香歩はデビュー当時から好きで新しい本があれば買って読む。「ほんとうのリーダーのみつけかた」岩波書店2020年。若い世代にむけた本である。率直で忌憚なく時代の裂け目をついた内容。しらずしらずのうちに目くらましをくらい、同調圧力に屈することのないようにとの願いをこめた本。ほんとうもううかれている場合ではないのだ。と。

絵本作家 宮西達也の講演会 IN 久慈

実りの秋。松茸、しめじ、山ぶどうに栗。庭のあけびもたくさん実をつけました。わたしは菊の花のおひたしがとても好き。ちょっとにがくてしゃきしゃきして。秋ならではの味わいですよ。

10月は、新しい図書館を記念して、にゃーごの宮西達也さんがはるばる久慈にやってきます。ティラノサウルスシリーズで大人気の絵本作家さん。まさかほんとに久慈まで来てくれるとはおもわなかったけど、ティラノのやさしさそのものの作家さん。新幹線もとおってない田舎町にきてくれるんですねえ。うれしいことです。楽しいおはなしがたくさんきけますよ!そしてワークショップもありますよ。人数制限がありますので、はやめに申し込みしてね!!

~~絵本作家 宮西達也さんの講演会~~

ティラノのやさしさ にゃーごのおもいやり

10月31日(土)13:30~15:00 久慈市文化会館(アンバーホール 小)定員150名 先着

11月1日(日)9:30~11:30 久慈市立図書館 対象:小学生(定員20名)

問い合わせ、申し込みは               (久慈市教育委員会生涯学習課 0194-52-2156)

「一人称単数」「猫を棄てる」

写真は2011年5月末日。東日本大震災後、なにもない被災地の大地にたった一輪「ここ、ここ、ここに、家があったんだよ」と告げるように咲いていたプリムラの花。

 

ススキが揺れて、赤とんぼが。チョウもひらひら、蜂もブンブン。ちょっと暑さが弱まりました。

ここ2週間ばかりで何冊かの本を読んだけれど、やっぱり村上春樹はおもしろい。若い頃に書いたきらきらした本の数々が、ここにきて、すんだ秋の空のような清さと広がりと透明なふかさを感じさせます。「一人称単数」「猫を棄てる」二冊。村上さんも、人の子だったんだなあと、より親しみを感じたりして。これから作品がどうなるのか、ほんとうに楽しみ。はんぱないプレッシャーでしょうが(それなないのかも・・)、高みへとかぎりなく上り詰めていって、ほしいですね!