秋、足早に

とても暑い夏がながくつづき、気が付けば秋が足早にやってきて「そうだ!旅に行かなきゃ」と群馬に。東北はほぼ見て歩き、長野は何度か行き、コロナ前に栃木に行って、「あれ、群馬はずしてる・・」と気づいて、急遽決行。

伊香保、草津、富岡と巡り、伊香保の温泉もよかったけど、「不如帰」の冨福蘆花記念文学館と、竹久夢二記念館が思いのほかよかったんですよねえ。夢二のまだなにものでもなかった初期の油絵、それがしだいにあの作風に徐々に変遷していくのを見て、ああ夢二の画は詩そのものじゃないと、思ったんですね。そのことにはっと気づくそんな旅でした。

今年の夏は梅がたくさんとれて、梅ジャム、ジュース、梅干しまでつくっちゃいました。梅ジュースは夏バテにとってもいいのです!

絵本作家宮西達也さん中学1年生に講演

絵本作家のみやにしたつやさんが、超多忙ななか今年も久慈に来てくれました。

久慈にはこんなベンチが街の中にあるんですよ!

今回は、小学生にダンボールアートを、全市内中学1年生に講演をしてくれました。ダンボールアートもすんごく楽しかったけど、翌日開催の講演「優しさと思いやりと夢のお話し」は、超感動ものでした。私はこの春まで教育委員を8年間勤め折に触れ子どもたちの姿を観てきましたが、中学生がこんなに笑ったのをみるのは初めてです。腹の底から笑い、ざわめき、体中で反応し、どんなにか躰と心を揺さぶられたことでしょう。

前回、前々回と大人たちが宮西さんの講演を存分に楽しんだのですが、今回は中学生にぜひとの声に、実現されたのでした。中学生の反応に宮西先生のパワーも炸裂し本当に得難い貴重な講演になりました。宮西先生、お疲れ様でした。また来て久慈に元気をわけてくださいね!

7月にはいりました。明日は七夕です。レクイエムコンサートが迫ってきました。今回はレクイエム・プロジェクト北いわて結成から10年という節目のコンサートです。私作詩、上田益作曲14曲と仙台の寺島英弥さん作詩の「また逢える」4曲、「ラクリモーザ」などが上演されます。

7月16日 午後2時開演  場所 アンバーホール 大ホール

アスパラがにょきにょき

春は思いのほか早くきて、桜は半月も早く咲いたのに、寒の戻りがたびたび襲い庭の木も草花も「もう、たまんないよ~」と悲鳴をあげているのです。昨日は5月8日ですけど、なんと雪が降ったと・・ここは降らなかったけど寒いのなんのって、ほんとにたまんないのです。

4月中ばたばたと忙しいなか、友人と水芭蕉を見にいきました。コロナ禍後ひさかたぶりのブラ旅です。

村上春樹の新刊「街とその不確かな壁」読了。西加奈子のエッセイ「くもをさがす」を読みました。読めば読むほど読みたくなるという、これはいったい何なんでしょうねえ。

 庭には、にょきにょきアスパラのおでましです。今日はきのうの雨でぐぐっとおおきくなったもの5,6本見つけました。

梨の花

クリスマスおはなし会と末盛千枝子さんの講演

「今年さいごの「おはなし会」と、末盛千枝子さんの講演会があるから来ない?」と友だちから誘いがあった。一年間なんだかざわざわして、なかなか自分の時間が持てなかった。せめて「クリスマスのおはなし会」にはいきたいと思っていたので高速バスに乗って盛岡へ。

グリム童話やエリナー・ファージョン「マローンおばさん」などなど。6人がそれぞれの本をストーリーテリングで語ってくれるのだが、目で読むのと違って、なんと静かで満ち足りた時間だったろうか。それが終わると、みんなで県立美術館に向かった。末盛さんの講演には2時間ばかり間があった。コンビニで買ったおにぎりを食べ外でおしゃべりをした。交代で順番をとっていたので、戻るとずらりと長い行列ができていた。私達は先頭を陣取っていて、ラッキーなことに会場入りする末盛さんと会うことができた。末盛さんは友人のNさんに気づき満面の笑みで、「まあっ!」と驚きの声をあげ、本当にうれしそうにこう言った。「同じこと言ってるって、笑わないでね!」と。そこには10年間「3.11絵本プロジェクト」で培った友情と信頼が厚くにじみこんでいた。

父船越保武を語る末盛さんの言葉は、穏やかであたたかく、まっすぐだった。今年81歳だという。芸術家一家に生まれ育ち、様々なことを乗り越えてきた強さとやさしさ。賢さと品格。そんなものを自然にそなえもっている人の放つ気高さとやさしさがさらさらと注ぐような、すてきな講演だった。

その日、私はこころから思った。「今日はなんていい一日なのだ!」と。

春の庭

梨の花

4月半ばから水仙が咲き

スミレがあちらこちらに

ツバキ

フジが見ごろになった今日この頃。山の藤も咲きはじめましたよ。春になると友人に会いたくなりんす。このところ角田光代の本を集中的に読んでいます。

梅が咲き、芽がにょきにょき

今年は雪がないなと思っていたら、一週間前にどかんと30センチぐらい積りました。けど、今は日陰にちょっと残るぐらいです。

雪解けと共に、水仙や草花の芽がにょきにょき出てきて、庭は春到来となりました。梅の花も咲いています。

2月24日のウクライナへのロシア侵攻からもう一月が立ってしまったのですね。何もできない無力さをそれぞれに感じる日々ではないでしょうか。蛮行を止められないのは何故なのでしょう。重たい日々がまだ続きそうです。

2022年新年おめでとうございます!

あけましておめでとうございます!

昨年は絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」が岩崎書店から出版されました。

夏に岩手県すいせん図書になり、冬は埼玉県のすいせん図書になりました。ありがとうございます。たくさんの子どもたちに読んでほしいです。親子で読んでくださいね。

絵本が出版されたとき、FM岩手で三陸鉄道を取り上げた番組があり、その中で地元アナウンサーによる「リアスのうみべさんてつがゆく」の朗読があったんです。その番組が日本民間放送の番組部門で優秀賞を頂きました。とてもラッキーでした。

さて、2月5日に「岩手県読書をすすめるつどい」で講演をします。講演苦手な私ですが、絵を描いてくれたさいとうゆきこさんと一緒なので、とっても心強いです。それにほぼしたことがない朗読にも挑戦しようと思っています。

今年の抱負は、ゆったりとした時間の中で仕事をする。詩をまとめ、お話を書く。親愛なる友との語らいの時間をつくる。そして躰の声を聴く。

ティラノサウルスのベンチ

7月4日、宮西達也さんが久慈市に来てくれました。昨年に引き続いての来訪です。好評を博した講演もまたまた盛り上がりましたが、なんと寂しい町並みに活気をとティラノの絵を描いてくれたんですよ。すべて久慈市のために新しく描いてくれたんです。「すごいでしょう!!世界的な絵本作家がみんなのためをおもって特別に描いたんですよ~」って、そんなちゃめっけたっぷりな声がきこえてきそうです。

観光客も立ち止まって見入ってしまいますね。ステキなベンチ、みなさんも久慈の街をぶらっと歩いて見つけてくださいね。

翌日は小久慈小学校の子どもたちが特別授業をうけて大盛り上がりだったようで、3日静岡県は豪雨で土砂災害に見舞われ、7時間もかけて来てくれたんですよ。宮西達也さん、ほんとにありがとうございました。

『宮西達也の世界 ミラクルワールド絵本展』が花巻市の萬鉄五郎記念美術館で9月26日まで開かれててるので、ぜひ行ってみてね。

 

年の瀬に

今年いちばんの出来事は、絵本作家宮西達也先生が久慈市に来てくれたこと。駅前に新しい図書館ができたのを記念し、講演をしてくれたのです。超楽しい講演の翌日「ティラノザウルス」をかこう

子どもたちとの共作で~す!

超多忙な宮西先生。はるばる来てくれて、子どもたちとのふれあい、本当にありがとうございました。お人柄がとってもステキでした!!

コロナ禍であっという間の一年でしたが、年明け、2月に絵本「リアスのうみべさんてつがゆく」がいよいよ刊行となります。どうぞ、よろしくお願いいたします!

「秘密の花園」猪熊葉子訳

巣ごもりの合間にちょっと一息、盛岡の友だちを訪ねた。友人の部屋には信州の山の絵とバラの絵と仙台の友人の絵が飾られ、書棚には愛用の本がぎっしり入っていた。彼女は、若いときから文庫をやっていたので児童文学類の本はとんでもなくたくさん持っているのだが、その部屋にはいつもそばに置いておきたい特別な本が並べてあるのだ。

本棚の中段に詩の本が並んでいる。ときおり彼女に会いたくなるのは、文学の話と詩の話をしたくなるから。とことん込み入った話も彼女とならツーカーで楽しく話が弾む。そんな友がいることをほんとうに感謝したい。と常日頃思っているのだが、わたしのほうが一方的に彼女を頼ってばかりだと思っていたら、彼女の口からも同じ言葉がでた。「本のことを話せるひとがいて、ほんとによかったわ!」

さて、その日はもう一つ分かったことがあった。ふたりとも子どものとき一番好きだった本が「秘密の花園」F.H.バーネットだったのだ。「猪熊葉子の訳がすばらしいのよ」と言う。それで福音館書店の猪熊訳を借りてきた。超分厚いこれぞ本という重さ。ひさかたぶりに文学の匂いがぷんぷん濃厚な世界に浸る。それにくらべると今の本は省略しょうりゃくで、誰かがいっていたけど筋書きだけだなって。そうかもね、とおもう。