NHK Eテレ「あの日の絵本 はなちゃんのはやあるきはやあるき」

寒いのが苦手で熊さんよろしく冬眠状態でおりました。

3月になり、岩手も梅の蕾がふくらんできて、庭にふきのとうがちょっとだけ頭をだしています。大船度の山火事が心配な毎日ですが今日は早朝から雪で、今は雨に変わりそうです。山火事がこれでおさまってくれるように! そう願いながら、雨よ、ふれふれ、もっとふれ!!と祈っています。

さて、昨日は(3月4日)NHKEテレ午後1時40分から「あの日の絵本 はなちゃんのはやあるきはやあるき」が放送になりました。動きのついたはなちゃんは、ほんとに愛らしく、けなげで、いっしょうけんめい歩いて避難するすがたが胸をうち、当時をおもいだしてじーんときました。

この絵本を作ることができて、ほんとうによかったと思います。忘れないこと、伝えること、教訓を得てまなぶこと、大事なのだなあと感じております。

かわいいはなちゃんを描いてくれた、菅野博子さんに、どうもありがとう!!と伝えたいです。

NHKプラスでみられます。

今年読んだ本の中から

今年は家族に病人がでて、一年間病院通いが続いた。ちょっとばかり、しんどかったかな。でも、ま、なにはともあれ、日々をつつがなく過ごせたことはありがたく、より平凡が好きになった。今年も残りわずか、本で締めくくりを。

それと、校歌の作詞をした。母校である久慈東高校と久慈工業高校が統合し、久慈翔北高校となる。その校歌の作詞をさせてもらった。作曲は太田代政男先生。来春開校。愛される校歌でありますように。

≪こころに残った本≫

◎『スタジオジブリ物語』鈴木敏夫(集英社新書)宮崎駿やジブリ関連の本は見つけたらすぐ買って読むのだが、この本は新書にしてはちょっと分厚く読み応えがある。ジブリの作品創りに対する深さと真摯な追及が、宝物のように詰まった一冊。何遍も繰り返し読み、これからもそうするだろうと思う一冊。

◎『冬に子供が生まれる』佐藤正吾(小学館)若い頃はなんでも手あたり次第に読んでいたけど、この頃は好きな作家のものばかりに手がのびる。でも最近は義理息子がやたら本を読み「これ読んだ?」と薦めてくれるので、面白い本に出合うことが多くなった。これもその一冊。ひさびさの読後感。

◎『めちゃくちゃわかるよ!印象派』山田五郎(ダイヤモンド社)これも薦められた本。すっごく分厚いけど、絵がたくさん入っていて見ごたえあり。それに加え解説が型破りですごくおもしろい。画家たちの俗日常が垣間見れて、芸術家も大変なんだなあと。芸術としての絵の裏の人間くささ満載の本。

◎絵本はいい本も楽しい本もたくさん読んだけど、図書館でなにげなくとった絵本に胸をうたれた。『わたしのいもうと』松谷みよ子作 味戸ケイコ絵(偕成社)1987年初版。なぜ、いままで気づかなかったのだろう。いじめをまっすぐにとらえた絵本なのに・・・。この絵本、おとなにも子どもにも、読んでほしいと心から願う。

ちょっとはやいけど、よいお年をお迎えください!!

7月の絵本サロン

岩手もあつーい日が続いています。

お盆がくるので、やることがたくさんあって大変です。

7月の絵本サロン、わたしは『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット文シドニー・スミス絵)を紹介しました。圧倒的な絵にすっかり魅了されたのですが、カナダの詩人ということも、気にかかって。もちろん、文がよい。内容もとってもふかいので感動します。おすすめです!

ヨムノス絵本サロン

春がきて桜が咲いて、水仙が庭をうめ、また寒の戻りなどあり、ストーブがないとぶるぶるっとくるのです。

きのう、ヨムノス(図書館)で初の絵本サロンの集まりがありました。絵本をみんなで楽しむ会です。みんなといっても少人数のささやかな集いで、この絵本大好きなんだと、お披露目し、どんなところに惹かれて、どんなところが気に入ったのか話し、みんなでおしゃべりするのです。

わたしが持っていった絵本は『ちがうねん』ジョン・クラッセン作長谷川義史訳(クレヨンハウス)でした。絵がすばらしいのと訳のみごとさ。押しです。

あたらしい一年がはじまります!

あけましておめでとうございます。

能登大地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

日を追うごとに、惨状がおおきくなり、犠牲者の数が増えています。被災地での暮らしをおもうと胸がつまります。どうぞ、できるだけ暖をとって、一日いちにちを無事でお過ごしください。支援の手がすぐそこまできていると信じて。

秋、足早に

とても暑い夏がながくつづき、気が付けば秋が足早にやってきて「そうだ!旅に行かなきゃ」と群馬に。東北はほぼ見て歩き、長野は何度か行き、コロナ前に栃木に行って、「あれ、群馬はずしてる・・」と気づいて、急遽決行。

伊香保、草津、富岡と巡り、伊香保の温泉もよかったけど、「不如帰」の冨福蘆花記念文学館と、竹久夢二記念館が思いのほかよかったんですよねえ。夢二のまだなにものでもなかった初期の油絵、それがしだいにあの作風に徐々に変遷していくのを見て、ああ夢二の画は詩そのものじゃないと、思ったんですね。そのことにはっと気づくそんな旅でした。

今年の夏は梅がたくさんとれて、梅ジャム、ジュース、梅干しまでつくっちゃいました。梅ジュースは夏バテにとってもいいのです!

絵本作家宮西達也さん中学1年生に講演

絵本作家のみやにしたつやさんが、超多忙ななか今年も久慈に来てくれました。

久慈にはこんなベンチが街の中にあるんですよ!

今回は、小学生にダンボールアートを、全市内中学1年生に講演をしてくれました。ダンボールアートもすんごく楽しかったけど、翌日開催の講演「優しさと思いやりと夢のお話し」は、超感動ものでした。私はこの春まで教育委員を8年間勤め折に触れ子どもたちの姿を観てきましたが、中学生がこんなに笑ったのをみるのは初めてです。腹の底から笑い、ざわめき、体中で反応し、どんなにか躰と心を揺さぶられたことでしょう。

前回、前々回と大人たちが宮西さんの講演を存分に楽しんだのですが、今回は中学生にぜひとの声に、実現されたのでした。中学生の反応に宮西先生のパワーも炸裂し本当に得難い貴重な講演になりました。宮西先生、お疲れ様でした。また来て久慈に元気をわけてくださいね!

7月にはいりました。明日は七夕です。レクイエムコンサートが迫ってきました。今回はレクイエム・プロジェクト北いわて結成から10年という節目のコンサートです。私作詩、上田益作曲14曲と仙台の寺島英弥さん作詩の「また逢える」4曲、「ラクリモーザ」などが上演されます。

7月16日 午後2時開演  場所 アンバーホール 大ホール

アスパラがにょきにょき

春は思いのほか早くきて、桜は半月も早く咲いたのに、寒の戻りがたびたび襲い庭の木も草花も「もう、たまんないよ~」と悲鳴をあげているのです。昨日は5月8日ですけど、なんと雪が降ったと・・ここは降らなかったけど寒いのなんのって、ほんとにたまんないのです。

4月中ばたばたと忙しいなか、友人と水芭蕉を見にいきました。コロナ禍後ひさかたぶりのブラ旅です。

村上春樹の新刊「街とその不確かな壁」読了。西加奈子のエッセイ「くもをさがす」を読みました。読めば読むほど読みたくなるという、これはいったい何なんでしょうねえ。

 庭には、にょきにょきアスパラのおでましです。今日はきのうの雨でぐぐっとおおきくなったもの5,6本見つけました。

梨の花

「リアスのうみべさんてつがゆく」IBCラジオで

3月10日。IBCラジオ奥村アナの「新米ママの井戸端会議」で絵本「リアスのうみべさんてつがゆく」が朗読されました。奥村アナウンサーのとてもきれいな声で朗読され、耳をかたむけて聞きました。列車の警笛やガッタンゴットンと走る音もはいり、すっかりその世界に浸ることができました。そういえば、この番組が始まったばかりのころ、そう奥村アナが新米ママになりたてだった頃、はじめてお会いしましたね。また、絵本取り上げてくれて、本当にありがとうございました! 朗読とってもよかったです。三鉄がしたこと、忘れずに伝えていきたいものです。IBCの皆様、いつもありがとうございます。

ちょうどひと月前・・2月4日でしたが岩手県立図書館主催「読書のつどい」で、前三陸鉄道社長の中村一郎さんとトークショーをさせていただきました。絵本の話と後半の部分では読書について話しました。わたしは話すのが苦手なので、とても緊張しましたが、本の話になると楽しくて楽しくて、話はつきないのでした。様々な本の話をしたのですが肝心の「小説」まではいかなかったのです。中村一郎氏もたくさんご本を持参してくださり、共通するものも多くほんとに楽しかったのです。そして以外でしたが、本の話ならもっともっと話せるかもと、思ったのです。

で、今何を読んでいるかというと、カズオ・イシグロの「わたしたちが孤児だったころ」昨夜残りの半分を読み終えました。(なんてすごいひとなんだろう)としかいえません。「ゼロからの資本論」斎藤幸平、養老先生の「猫も老人も、役立たずでけっこう」など。こういう作家の人たちがいるというそのことが、わたしのささやかな希望でもあります。

先ほど、庭に出てみたら福寿草が5,6輪咲いていました。金色のとてもきれいな花。もう春になりますね。

 

クリスマスおはなし会と末盛千枝子さんの講演

「今年さいごの「おはなし会」と、末盛千枝子さんの講演会があるから来ない?」と友だちから誘いがあった。一年間なんだかざわざわして、なかなか自分の時間が持てなかった。せめて「クリスマスのおはなし会」にはいきたいと思っていたので高速バスに乗って盛岡へ。

グリム童話やエリナー・ファージョン「マローンおばさん」などなど。6人がそれぞれの本をストーリーテリングで語ってくれるのだが、目で読むのと違って、なんと静かで満ち足りた時間だったろうか。それが終わると、みんなで県立美術館に向かった。末盛さんの講演には2時間ばかり間があった。コンビニで買ったおにぎりを食べ外でおしゃべりをした。交代で順番をとっていたので、戻るとずらりと長い行列ができていた。私達は先頭を陣取っていて、ラッキーなことに会場入りする末盛さんと会うことができた。末盛さんは友人のNさんに気づき満面の笑みで、「まあっ!」と驚きの声をあげ、本当にうれしそうにこう言った。「同じこと言ってるって、笑わないでね!」と。そこには10年間「3.11絵本プロジェクト」で培った友情と信頼が厚くにじみこんでいた。

父船越保武を語る末盛さんの言葉は、穏やかであたたかく、まっすぐだった。今年81歳だという。芸術家一家に生まれ育ち、様々なことを乗り越えてきた強さとやさしさ。賢さと品格。そんなものを自然にそなえもっている人の放つ気高さとやさしさがさらさらと注ぐような、すてきな講演だった。

その日、私はこころから思った。「今日はなんていい一日なのだ!」と。