「小さな幸せをひとつひとつ数える」末盛千枝子さんの本

末盛千枝子さんの新しい本がでました。冒頭「はじめに~絵本からの贈り物~」と題して、心惹かれるエッセイがあります。小さな子供にどんな絵本を見せたらいいのか、病気の人にどんな本を差しあげたらいいのか、私自身いつも迷っていることへのヒントがここに。

もう20年も前のことですが、盛岡の大通りに子どもの本の専門店「モモ」がありました。さわや書店さんが本店の隣につくった本屋さんです。そのモモさんには、東京から来たばかりの岩橋さんがいました。とても熱心で情熱をもって児童書の紹介をしていました。私はすぐに親しくなり、モモに行くのがとても楽しみでした。最初の詩集「よいお天気の日に」がちょうど出たばかりで、岩橋さんは挿絵のスズキコージさんの原画展を開いてくれました。はじめての朗読会も店内で催すことになったりして。そんなご縁があって、モモがなくなっても、ときどき岩橋さんを尋ねたりもしていました。去年の今頃かな、岩橋さんから電話があり、重い病気になって仕事を辞めることになったと告げられました。

一年たった秋のはじめ、電話での岩橋さんは気持ちが落ち込んでいました。なにもできない自分が情けなくあれこれ逡巡しているとき、友人から末盛さんの新しい本が送られてきました。すぐに読み通した私は「この本を岩橋さんに」と思いました。少しでも心がやわらぐのではと思ったのです。

盛岡の街に「モモ」という素敵な子どもの本屋さんがありました。ミヒャエル・エンデの「モモ」の中の時間どろぼうのこと、忘れてはいけませんよね。

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